2020年4月より原則室内禁煙へ、喫煙室がある場合の注意点
2020.03.13
社労士:
こんにちは、今日は喫煙に関する法律でお伝えしたいことがあります。
木戸部長:
喫煙ですか?人事労務に関する法律で、喫煙に関係するものはありましたか。
社労士:
ピンときませんよね。一時期、メディアで飲食店等は禁煙にしなければならないという話題が大きく取り上げられていましたが、健康増進法という法律があるのです。
木戸部長:
そう言われると、聞いたことがあります。でも、当社はお店を持っていないので対象ではないですよね?
社労士:
実は2020年4月1日に改正健康増進法が全面施行され、飲食店等以外の企業でも原則屋内禁煙となります。これは、多くの人が利用するすべての施設において、原則、屋内禁煙が義務化されることに伴うものです。その際、施設内に喫煙室を設けることができるのですが、喫煙室を設ける場合、以下の要件を満たす必要があります。
a.法律に定められた技術的基準を満たした喫煙室にすること
b.施設の出入口に、「喫煙専用室」があることがわかる指定された標識を掲示すること
c.喫煙専用室の出入口に、「喫煙専用室」であることがわかる指定された標識を掲示すること
木戸部長:
なるほど、喫煙室の存在をわかりやすく表示していくことになるのですね。
社労士:
そうですね。a.については、喫煙室の出入口において屋外から室内に流入する空気の気流が0.2m毎秒以上であることなどの細かな基準が設けられています。そして、b.とc.が、指定された標識として示されていることが求められ、紛らわしい標識を掲示したり、標識が汚損したりしているときには、罰則の対象となるようです。指定された標識は以下のリンク先を確認ください。
■厚生労働省「喫煙室への標識の掲示義務について」木戸部長:
当社は、屋外に喫煙エリアを設けていますので、標識の掲示は対象外ということですね。
社労士:
そうですね。屋外に喫煙エリアが設置されているときに注意が必要なこととして、20歳未満の人は屋外であっても一切、喫煙エリアに立入禁止となっていることが挙げられます。
木戸部長:
例えば、喫煙中の上司に相談するために、20歳未満の従業員が喫煙エリアに立ち入ることは、問題があるということですね。
社労士:
そうなりますね。従業員であっても立ち入らせることができません。万が一、20歳未満の人を喫煙エリアに立ち入らせた場合、施設の管理者は指導・助言の対象になるとされています。施設の管理者ですから、例えば総務部長や社長が該当しますね。
坂本社長:
重要な責務を負うということですね。当社には20歳未満の従業員が数名いますので、本人に対しても、立ち入らないように注意喚起しておこう。
社労士:
そうですね。入社時のオリエンテーションで、立ち入らないように伝えておくと良さそうですね。
木戸部長:
さっそく、4月の入社時に伝えるようにします。
社労士:
その他にも、今回の改正健康増進法では、従業員の受動喫煙を防止するための措置を講ずることが努力義務とされ、また、労働安全衛生法でも、屋内における労働者の受動喫煙を防止するための努力義務が設けられています。これらの努力義務に関して会社が実施すべき内容が、「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」として策定されています。一度、このガイドラインに目を通されておくといいですね。
木戸部長:
わかりました。内容を確認しておきます。
ワンポイントアドバイス
昨今、健康経営への関心が高まっていますが、中でも今回の受動喫煙対策は重要視されています。従業員の受動喫煙対策や禁煙対策に取り組むメリットとして、喫煙による疾病を予防し、従業員が健康に働き続けることで、会社としては健全な労働力の確保につながるとされています。 経済産業省発行の「健康経営優良法人 取り組み事例集」の中で、受動喫煙対策の事例として、社内の隔離されたスペースに喫煙場所を設置して完全分煙を実施し、加えて、会社独自の禁煙方式「禁煙バトンの取り組み」(バトンを持った人が禁煙スタートを社内で宣言。禁煙成功で、次の人へバトンを渡すリレー方式)を行っているものが紹介されています。このような事例も参考にしながら、禁煙への取り組みも進めましょう。
参考リンク
厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙。」Webサイト厚生労働省「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」
経済産業省「健康経営優良法人 取り組み事例集」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。