協会けんぽの手続きでも広がる署名・押印の省略の動き
2019.10.29
従業員や会社の事務負担の軽減を図る目的から、社会保険の届出に関する変更等が行われています。今回、全国健康保険協会(以下、「協会けんぽ」という)において、一部の届出に関して、署名・押印の取扱いが変更となりました。そこで今回は、その変更の内容と、先行して行われている日本年金機構の手続きでの署名・押印の省略について併せて確認します。
[1]協会けんぽでの署名・押印の省略
今回、協会けんぽにおける以下の4つの届出の署名または押印について、従業員が届出の記載を行う場合で従業員が届出の記載を行った旨を届出の備考部分等に記載したとき、または会社が届出の記載を行う場合で従業員に対し、届出の記載に誤りがないか確認を求め、従業員が内容について確認した旨を届出の備考部分等に記載するときは、届出の署名または押印を省略することができるようになりました。
- 被保険者証再交付申請書
- 高齢受給者証再交付申請書
- 高齢受給者基準収入額適用申請書
- 被保険者証回収不能届
この中で、被保険者証再交付申請書は、従業員が健康保険証を紛失したとき等に届け出ますが、なるべく早く再交付をして欲しいという要望も大きく、今回の署名または押印の省略により、速やかな手続きができるようになります。
[2]日本年金機構での署名・押印の省略
[1]に先立って、日本年金機構においても、以下の届出について、会社が従業員の届出の意思を確認し、各届書の備考欄に「届出意思確認済み」と記載することにより、届出の署名または押印を省略することができるようになっています。
- 被扶養者(異動)届・第3号被保険者関係届
- 年金手帳再交付申請書
- 養育期間標準報酬月額特例申出書・特例終了届(申出の場合)
- 養育期間標準報酬月額特例申出書・特例終了届(終了の場合)
この取扱いは、通達(「適用事業所が提出する届出等における添付書類及び押印等の取扱いについて」(平成31年3月29日付 年管管発0329第7号))により既に開始されています。
現状、届出書に従業員等の署名または押印をもらうために、会社と従業員の間で書類のやり取りを行い、手続きが煩雑になったり、手続きに時間を要することがあります。今回とり上げた署名・押印省略の取扱いを活用していくことで、手続きをスムーズにしていきたいものです。
参考リンク
協会けんぽ「署名・押印の取扱いが変更となりました」日本年金機構「【事業主の皆様へ】届出等における添付書類及び署名・押印等の取扱いの変更について」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。