ハローワークを通じた障害者の就職件数が10年連続で前年を更新
2019.07.09
2018年4月より、障害者の法定雇用率が2.2%(民間企業の場合)となり、2021年4月までには2.3%に引き上げられることが決まっています。こうした状況から、障害者雇用の重要性が再認識されているところですので、今回は先日、厚生労働省より公表された平成30年度の障害者の職業紹介状況の結果について確認しておきます。
1.障害者の就職件数
ハローワークへの新規求職申込件数は211,271件(前年度202,143件)となっており、対前年度に比べ4.5%増加しています。これに対し、障害者の就職件数は102,318件(前年度97,814件)となっており、対前年度に比べ4.6%増加し、その件数は10年連続で前年を更新しています。
この新規求職申込件数のうち、精神障害者の新規求職申込件数は101,333件(前年度93,701件)で、対前年度に比べ8.1%増加、就職件数も対前年度比6.6%増の48,040件(前年度45,064件)となっています。法定雇用人数の充足を図るために、多くの企業で精神障害者の雇用が積極的に進められていることが分かります(グラフ参照)。
2.産業別・職業別の就職状況
産業別に就職状況を見てみると、就職件数全体(102,318件)のうち「医療、福祉」が35,541件と全体の3分の1を占めており、「製造業」14,510件、「卸売業、小売業」12,607件と続いています。
また職業別に就職状況を見てみると、「運搬・清掃・包装等の職業」が34,845件と全体の3分の1を占めており、「事務的職業」22,632件、「生産工程の職業」12,528件、「サービスの職業」12,439件と続いています。障害種別の就職状況では、身体障害者については「事務的職業」、知的障害者および精神障害者については「運搬・清掃・包装等の職業」の割合が、職業別の中で一番高くなっています。
初めて障害者を雇用する際に活用できる助成金や障害者の障害特性による就労上の課題を克服する作業施設等を設置・整備する際に活用できる助成金などが設けられています。このような助成金の活用も検討しながら、障害者雇用を進めていきましょう。
参考リンク
厚生労働省「平成30年度 障害者の職業紹介状況等」厚生労働省「事業主の方のための雇用関係助成金」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。