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障害者雇用 雇用人数・実雇用率ともに過去最高を更新

2019.05.07

障害者の雇用については、国の機関等で障害者雇用数の水増しがあったことで大きな注目を浴びました。民間企業でも、その雇用がなかなか進まないとの悩みをよく耳にしますが、実際の雇用状況はどのようになっているのでしょうか。今回は、先日公表された「平成30年 障害者雇用状況の集計結果」の中から、民間企業の障害者雇用状況について見ていきましょう。

1.障害種別の雇用状況

現在の民間企業の障害者の法定雇用率である2.2%で計算すると、常時雇用労働者45.5人以上の企業は1人以上の障害者を雇用することが求められます。実際に、その対象企業で雇用されている障害者の数は534,769.5人で、前年より38,974.5人増加しています。この障害者の内訳は以下のようになっており、特に精神障害者の伸びが大きくなっています。

  • 身体障害者 346,208.0人(対前年比3.8%増)
  • 知的障害者 121,166.5人(同7.9%増)
  • 精神障害者 67,395.0人(同34.7%増)

2.法定雇用率達成企業の割合

法定雇用率を達成している企業の割合をみてみると、45.9%と前年の50.0%から4.1%減少するという結果になりました。これを企業規模別にみると、下図のようになっています。すべての規模の区分で前年より減少し、特に1,000人以上の規模については、前年の62.0%から47.8%に大幅に減少しています。この理由は2018年4月に行われた法定雇用率の引上げにより、雇用しなければならない障害者数が増えたことで、法定雇用率を達成できなかった企業の割合が多くなったことが考えられます。

3.法定雇用率未達成企業の状況

法定雇用率未達成企業の数については、全体で54,369社と前年の45,471社より増えています。また、この未達成企業のうち、障害者を1人も雇用していない企業(0人雇用企業)は31,439社で、未達成企業全体の57.8%となっています。これを企業規模別にみてみると以下のようになっており、300人未満の企業を中心に、障害者を1人も雇用できていない状況が見受けられます。

  • 45.5人~100人未満 93.7%
  • 100人~300人未満 30.8%
  • 300人~500人未満 1.3%
  • 500人~1,000人未満 0.1%
  • 1,000人以上 0.1%

法定雇用率は2021年4月までには2.3%へ再度引き上げられることが決まっています。障害者の雇用は今後、更に大きなテーマになることは不可避の状況にありますので、長期的な視点で、これまで以上に障害者雇用に対する積極的な取組みが求められています。

参考リンク

厚生労働省「平成30年 障害者雇用状況の集計結果」

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。